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日本酒の古酒の魅力や味わいを解説、自宅で古酒を造る方法

日本酒は昔から酒蔵が軒下に杉玉(酒林(さかばやし)とも言う)を吊るして新酒ができたことを知らせる風習があり、毎年新酒の時期を楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。

一方で、ワインのように長期間熟成させた日本酒の「古酒」も、近年少しずつ人気が広がりつつあります。

この記事では、日本酒の古酒の魅力や味わいについて解説します。自分で古酒を造る方法もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

日本酒の古酒(こしゅ)とは?

古酒とは、名前のとおり原酒を長時間貯蔵して熟成させたものです。製法や貯蔵期間に明確な決まりはありませんが、「長期熟成酒研究会」(※)では「満3年以上酒蔵で熟成させた、糖類添加酒を除く清酒」を「熟成古酒」として定義しています。

一般的に、古酒と言えば沖縄のお酒である泡盛が広く普及しています。泡盛は瓶や壺に入れて寝かせることによりお酒のカドがとれ、甘い香りを持つようになり、味がまろやかになると言われています。

泡盛古酒

泡盛の規定ではお酒の全量が3年以上熟成させたものを古酒と呼ぶことができます。ブレンドしたものに関しては例えば5年もの古酒泡盛には、6年もの、7年ものをブレンドすることは可能ですが、古酒の表記以上の熟成酒をブレンドしなければならない決まりになっています。泡盛のもつ独特の風味が、古酒として熟成されるほど、味と風味が豊かになっていくので泡盛の古酒ファンはとても多いです。ウイスキーでもそうですが20年以上の長期熟成古酒になるととても価格が高く、プレミア酒として取引されるケースもあります。

では日本酒は熟成させるどうなっていくでしょうか。

日本酒は年月を経ると徐々に褐色を帯び、スパイスやコーヒーのような独特の熟成香が感じられます。

味は古酒によってさまざまですが、トロリとした円熟味が一番の持ち味とされています。

前述のように日本酒古酒と名乗るための規定があるわけではないため、飲食店などが自家貯蔵した、3年未満の古酒というのも珍しくはありません。

また、メーカーによってはワイン樽やシェリー樽で熟成させて、手早く香りを移したものもあります。

※長期熟成酒研究会:小売店や酒販店、流通業者、酒造会社によって設立された団体。日本酒の熟成古酒の普及と製造技術の向上を主な目的としている。

 日本酒の古酒の魅力

しっかりと熟成させた日本酒は、新酒や普通の清酒とはまったく異なる味わいへと変貌を遂げます。

その変化は複雑で、ときには造り手でさえも予期しなかったような風味に仕上がることもあるようです。

例えばキレ自慢の酒が濃厚かつまろやかになったり、甘口の酒が驚くような酸味や苦味を伴ったりと、古酒の味わいの変わりようにハマる人も少なくありません。

また、飲む温度によって、さらにさまざまな味や香りが楽しめるのも古酒の魅力です。

お燗にすれば香りと味わいがより豊かになり、熟成香が強すぎると感じたときは少し冷やすと飲みやすくなります。

手持ちの古酒に合う料理を、肉や魚などいろいろと試してみるのも良いでしょう。

子どもや孫の誕生記念、あるいは結婚記念日などに合わせて、古酒を造って保管するのも楽しみ方の一つです。

記念の年のワインを購入するように、おめでたい日付をラベルに記した古酒を取っておくと、味わいの変化を思い出と一緒にたどることができますよ。

古酒

古酒の特徴や味わい

熟成された日本酒の古酒は、褐色に変化したり熟成香を生じたり、味にコクが出たりといった特徴があります。

その風味は大きく3つのタイプに分けられ、また温度によっても味わいが変わります。

ここでは、それぞれのタイプや温度帯による味の違いについて説明します。

また、清酒とは異なり、日本酒の飲み方はストレートに限りません。

ハイボール風にソーダで割ったり、カクテルのベースにしたりと、その濃厚な味わいを生かしてさまざまな楽 しみ方ができます。

 熟成のタイプによる味わいの違い

明確な定義はありませんが、日本酒の古酒には3つのタイプがあります。

最も個性が強い「濃熟タイプ」は、常温でじっくりと熟成させ、色や光沢に加え香りや味にも一番変化が見られるタイプです。

一般的に本醸造酒や純米酒をベースとしていて、その濃厚さから中華料理や焼き肉など脂っこい料理によく合います。

熟成日本酒

逆に、最も淡白なのが「淡熟タイプ」で、主に吟醸酒や大吟醸酒を低温で熟成させたものです。

吟醸酒の華やかさを残しつつ、ほどよい苦味が生まれ風味に幅と奥行きが感じられます。

フランス料理や生ハムなど、ワインのような取り合わせで飲むのがおすすめです。

そして、両者の中間に位置するのが「中間タイプ」です。

低温熟成と常温熟成を併用し、使用する日本酒も本醸造酒から純米酒、吟醸酒まで広くあります。

濃熟タイプと淡熟タイプ双方の特徴を併せもち、甘いものからしっかりした味付けまで、幅広い料理に合わせられます。

 温度による味わいの変化

日本酒の古酒も清酒と同じように、温めれば香りが立ち、冷やせば飲み口は爽やかになります。

ただし、冷やしすぎるとせっかくの熟成香を感じにくくなるため注意しましょう。

また、3つのタイプによってそれぞれに適した温度帯があります。

低温熟成の淡熟タイプなら、10~15℃ほど、濃熟タイプと中間タイプは常温でも楽しめますが40~45℃の「ぬる燗」にすると、風味がいっそう広がります。

熱すぎると、やはり香りやアルコールが飛んでしまうので気をつけましょう。

自宅で古酒を造る!日本酒を熟成させるときのポイント

好きな日本酒を古酒にしてみたいという方は、家で適切に保管すれば自家製の古酒を造ることができます。

しかし、保存方法を誤れば、せっかくの日本酒が台無しになってしまうため注意が必要です。

ここではご自宅で日本酒を熟成させる際のポイントについて解説します。

 日本酒の選び方

基本的には、どんな日本酒でも長期熟成すれば古酒となります。

ただし、火入れを行っていない生酒だけは、避けた方が良いでしょう。

生酒には酵母や酵素が残留しているため、鮮度管理が重要となり長期保存には向いていません。

また、酒蔵によっては熟成専用の「自家熟適正酒」を開発・販売しているところもあります。

自家製古酒

最初の1本は、この「自家熟適正酒」で試してみるのもおすすめです。

造りたい古酒のタイプが決まっているなら、前出のタイプ別にベースとなる日本酒を選びましょう。

濃熟・中間タイプなら純米酒や本醸造、淡熟タイプなら吟醸酒がおすすめです。無濾過のものを選ぶと、味や香りの変化をより顕著に感じられます。

熟成させる年数には決まりがないため、飲みごろは自分で判断します。

そのため熟成期間が長くなると、タイミングがわからなくなり何年経っても開けられなくなってしまう、ということもあります。

そのため、寝かせる年数をあらかじめ決めておいて、ラベルに記しておくのも一つの方法です。

 日本酒の熟成方法

熟成させる日本酒は、ほかのお酒と同じく紫外線を避け、気温の安定した湿気の少ない場所で保管します。

瓶は裸のままではなく、新聞紙に包んだり箱に収めたりしてから、保管場所に置くと良いでしょう。

純米酒や本醸造で濃熟・中間タイプを造る場合は、押し入れやクローゼット、納戸などの隅に仕舞っておきます。

一方、吟醸酒や大吟醸酒で淡熟・中間タイプは低温で熟成する必要があるため、始めの1年ほどは冷蔵庫で寝かせ、その後15~18℃くらいの冷暗所に移してください。

地下室など涼しい場所がなければ、電動ワインセラーなどを用意すると、しっかり温度管理ができます。

できあがった古酒が残念ながら期待した味わいではなかったとしても、もう一度熟成しなおすということはできません。

日本酒は開封すると劣化が始まるため、開けたらできるだけ速やかに飲みきりましょう。古酒は、数年をかけた一発勝負であるという点も、魅力の一つと言えます。

古酒の魅力を知り、味わいを楽しもう

日本酒の古酒には、ほかのお酒にはない味わいや魅力があります。

近年ではワインやウイスキーと同じく、ヴィンテージを売りにした古酒も販売され人気を呼んでいます。

ご自宅で簡単にオリジナルの古酒が造れるのも、大きな魅力と言えるでしょう。

自分でも日本酒の熟成に挑戦したいという方は、「CHIBASAKE」で販売している木戸泉酒造の「木戸泉 純米原酒」がおすすめです。

数十年に及ぶ熟成を想定して造られた純米酒で、天然の乳酸菌と酵母だけを使用し加水をしていない、濃厚な原酒です。

その圧倒的なコクと旨味がどのように変化するのか、期待が高まる1本ですよ。

 

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