お酒の適量とは?健康を維持するために自分の適量を計算してみよう
お酒を楽しく健康的に飲むには、適度な量を守ることが大切です。過度なアルコールの摂取は、肝臓をはじめとした体のさまざまな臓器に悪影響を与え、病気を招く危険性もあります。
そうならないためにも、自分の体の適正アルコール摂取量を理解した上で、お酒を飲みましょう。
この記事ではアルコールの適量について、またお酒を飲むときの注意点などをご紹介します。
お酒の適量は純アルコールで20グラム程度
厚生労働省が発表している「飲酒のガイドライン」では、節度ある適度な飲酒の定義を「通常のアルコール代謝能を有する日本人においては、節度ある適度な飲酒として、1日平均純アルコールで20g程度である」としています。
女性や高齢者などは、純アルコールは20g以下が望ましいでしょう。
20gはお酒の量で言うと、ビール中瓶1本、日本酒1合(180ml)、アルコール度数7%のチューハイ350mL缶1本、ウイスキーのダブル1杯ほどです。
仮に体重60kgの人が1日の平均純アルコール量である20gを含む日本酒1合を摂取すると、アルコールが分解されるまでに約3時間かかります。
つまり、アルコールの摂取量が多かったり、飲んでいる時
間が長かったりすると体の中でアルコールが分解されず、二日酔いの原因になりやすいと言えます。
純アルコール量の計算方法
ここで、「純アルコール量」について知っておきましょう。
純アルコール量は通常グラム(g)で表され、お酒のラベルに記載されているアルコールの体積パーセント(%)とは異なります。
ラベルに記載されているアルコール度数が5%のお酒だとすると、そのお酒には100mlあたり純アルコール量が5ml含まれているという意味ですが、この場合の純アルコール量は20gです。
純アルコール量を自分で計算できる計算式もあり、ここではビールの中瓶またはロング缶1本(500mL)を例として説明します。
純アルコール量を算出する計算式は「酒の量(ml) × 度数(または%) ÷ 100 × 比重 = 純アルコール量(g)」です。
これを上の例に当てはめると、500ml×5÷100×0.8=20gとなり、ビールの中瓶またはロング缶1本の純アルコール量は20gということがわかります。
アルコールの比重はお酒の種類によって異なりますが、0.8〜1.1あたりのものが多いようです。
お酒の適量は性別や体の大きさによって違う
一般的に、女性は男性に比べてアルコールの分解速度が遅いと言われています。
これは、体の大きさが異なるため血液の量もその分差があるためです。
アルコールを摂取すると、血液にアルコールが巡り血中アルコール濃度が高くなるため、酔いやすくなります。
男性よりも比較的体重が軽い女性は血液量も男性より少なく、同じ量のアルコールを摂取したとしても、血中アルコール濃度が高くなりやすく酔いやすいのです。
また、アルコールを分解する肝臓が大きければ、分解スピードも速まるため、女性より体が大きく肝臓も大きい男性は酔いにくいとされています。
さらに、お酒の適量は年齢も考慮することが大切です。
高齢になるにつれてアルコールの分解速度が下がったり、血中濃度が高くないにもかかわらず酔い方がひどくなったりすることが示唆されています。
若いころはお酒をたくさん飲んでも全然酔わなかったという人でも、年齢を重ねるとお酒に酔いやすくなることもあるため、自分の適量を把握した上でお酒を飲みましょう。
お酒の適量は年齢や生活環境、体質、性別などによって人それぞれ異なるため、無理せず自分のペースで飲むことが重要です。
お酒の量は酔い状態に合わせて調整を!
お酒を飲んでいると、楽しくてつい飲みすぎてしまい、気持ちが悪くなったり、記憶がなくなったりという経験をしたことがある方も少なくないでしょう。
「酔い」の状態は、アルコール血中濃度によって6段階に分けられていて、楽しくお酒を飲めるのは「ほろ酔い期」の段階までと言われています。
それ以上を超えると、気が大きくなって喧嘩腰になったり、一人でまともに歩けなくなったりと周囲に迷惑をかけるほどの酔い状態になり、最悪死に至るケースもあります。
下記の表でお酒に酔う段階と摂取したお酒の目安量を表しているので、どれくらい飲んだら危険なのかお酒を飲む前に把握しておきましょう。
血中アルコール濃度(%) |
お酒の量の目安 |
酔いの状態 |
|
爽快期 |
0.02〜0.05 |
〜1本 |
・爽やかな気分になる |
ほろ酔い期 |
0.05〜0.10 |
1〜2本 |
・ほろ酔い気分になる |
酩酊初期 |
0.10〜0.15 |
3本 |
・気が大きくなる |
酩酊期 |
0.15〜0.30 |
4〜6本 |
・足元がふらつく |
泥酔期 |
0.30〜0.40 |
7〜10本 |
・一人ではまともに立てない |
昏睡期 |
0.40〜0.50 |
10本以上 |
・脳が麻痺し、死に至ることもある |
血中アルコール濃度の計算方法上の表のアルコール量はあくまでも目安となり、身長や体重によって異なります。
しかし、血中アルコール濃度と酔いの状態は強く関係しているので、自分の体にはどれくらいの量のアルコールが適量なのか知っておくと良いでしょう。
血中アルコール濃度を求める計算式は、「{飲酒量(ml)×アルコール度数(%)}÷{833×体重(kg)}×100=血中アルコール濃度(%)」です。
アルコール度数5%のビールの中瓶またはロング缶1本(500ml)を飲んだときの男女の血中アルコール濃度を試しに計算してみると以下のようになります。
70kgの男性の場合:(500ml×0.05)÷(833×70kg)×100=0.04287429
血中アルコール濃度は約0.04%です。
50kgの女性の場合:(500ml×0.05)÷(833×50kg)×100=0.06002401
血中アルコール濃度は約0.06%です。
同じアルコール量を飲んだとしても、体重が20kg違うと血中アルコール濃度は約0.02%違うことが分かります。
もちろん、体質によって酔いの状態も変わるため、あくまで参考程度の数値として捉えておくと良いでしょう。
お酒を飲むときの注意点
お酒の飲みすぎは、アルコールを消化するために体に大きな負担をかけます。
二日酔いの予防や体への負担軽減のために、お酒を飲むときに日頃から意識しておきたいポイントを紹介します。
空腹時に飲まない
空腹時は胃が空っぽなためお酒を吸収しやすく、酔いやすい状態です。
少しのお酒でも悪酔いしてしまう可能性があるので、お酒を飲む前に軽く食事を取ると良いでしょう。
また、胃の粘膜を守るものがないので強いお酒は胃にダメージを与えてしまうこともあります。
おつまみと一緒にゆっくりと飲む
お酒を飲むときに欠かせない存在のおつまみですが、太るのを気にして控えている方もいるのではないでしょうか。
しかし、おつまみを食べないと、お酒を飲むスピードが早くなってしまい、飲みすぎの原因となるため、おいしいお酒と食事を一緒にゆっくり楽しみましょう。
おつまみはカロリーの低い枝豆や豆腐などを中心に選ぶとダイエット中にも良いですよ。
休肝日をつくる
少量ずつでも毎日お酒を飲んでいると肝臓を中心とした消化器官に負担をかけてしまいます。
週に1〜2日はお酒を飲まない休肝日を設けて、体を休ませてあげましょう。
お酒を飲むときは水もたくさん飲む
お酒を飲みながら一緒に飲む水のことを「和らぎ水」や「チェイサー」と呼びます。
お酒を飲んでいるときや飲んだ後には水を多めに飲むこともおすすめです。 お酒を飲んだあとに水を飲むことで血中のアルコール濃度が薄まるため、酔いにくなり、二日酔いを防止することにもつながります。
また、アルコールには利尿作用があり、飲みすぎると脱水症状を起こしてしまう危険性がありますが、合間に水を飲むことで体内に水分を蓄える働きがあります。
お酒は自分の適量を守り、飲みすぎに注意しよう!
お酒はその人に合った適切な量がある程度決まっていて、それを超えると悪酔いの原因になります。
1日に摂取すると良いお酒の量や体重別の血中アルコール濃度は計れるものの、性別や年齢、体質、その日のコンディションなどによって適量は異なるため、飲みすぎには注意が必要です。
お酒を飲むときは、無理せず楽める範囲内で摂取量をコントロールすることが重要です。
自分の体の適量をチェックし、悪酔いしないためのポイントを守って楽しみましょう。
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