日本酒がもっと楽しくなる!?味わいや香りの表現方法と特徴を知ろう
好みの日本酒と出会ったときには、SNSやブログなどで情報を発信したり、知人におすすめしたくなったりしますよね。
しかし、味覚は人によって異なるため、お酒の魅力をより詳しく伝えるには「どのような香りや味わいがおいしいと感じたか」を表現することが大切です。
この記事では、日本酒の味や香りの違いについて、また日本酒の味わいや香りでよく使われる表現方法をご紹介します。
日本酒の味わいのバランスとは
日本酒は精米歩合や作る工程によって、さまざまな種類に分けられます。
例えば日本酒は大きく分けて純米酒や吟醸酒、本醸造酒の3つに分類されるほか、山廃や生酛などの造り方、秋あがり・ひやおろしなど呼び方などそれぞれに違いがあり、味わいも異なります。
しかし、すべての日本酒は5つの味覚(甘味、酸味、辛味、苦味、渋味)のバランスで 評価できます。
以下では、それぞれどのような味を意味するかを説明します。
甘味
日本酒の主原料である米は、酵母菌による発酵を経てアルコールと二酸化炭素に分解されますが、分解しきれなかった米に糖分が残ることで甘みが生まれます。
甘みは日本酒の味の決定打の一つでもあり、ご飯を噛むとじわっと口の中に広がるようなやわらかな甘さが日本酒の味の特色です。
酸味
日本酒が発酵するにはさまざまな菌が発生しますが、これにはヨーグルトなどに含まれる乳酸菌も含まれます。
乳酸菌がお酒に作用した場合、まろみのある酸味が生まれるほか、リンゴ酸やコハク酸などが強く押し出されると、酸味の力強さが増します。
辛味
日本酒では「甘くない」ことが日本酒の辛さにつながります。
一般的にはアルコール度数が強い日本酒は、甘味が抑えられて辛口に感じられる傾向があります。
一時期は辛口のお酒が好まれ、あえて甘味を消した日本酒が数多く流通しました。
苦味
日本酒には隠し味的にほんのりとした苦みが醸し出されています。
アルコールや酵母などの作用によって発生する苦みは、日本酒のメインの味となる甘味や酸味を引き立ててくれるのです。
渋味
苦みと同様に、日本酒の隠し味的な存在です。
前面に出てしまうと飲みにくくなりますが、多少の渋味があると味に奥行きが出て、最後まで飽きずに飲み続けられます。
日本酒の香り、味わいを表現する言葉
ここでは、日本酒の香りや味わいに関する表現方法をご紹介します。
香りの表現方法
日本酒の香りを表す表現として、以下の言葉がよく使われています。
・フルーティ
果物のような香りは大吟醸酒などで多く感じられます。
リンゴやバナナ、メロン、桃などの味わいが口の中に広がることから、日本酒に慣れていない人にも好まれる香りです。
・華やか
大吟醸や吟醸酒が醸し出す香りは「吟醸香(ぎんじょうか)」と呼ばれます。
ふわりとした甘さが広がるこの香りは、梅や桜、薔薇などの花に似ており、周囲が華やぐような雰囲気になることからこの表現が用いられます。
・ふくよか
日本酒の原料である米や、穀物の旨みが感じられる香りを「ふくよか」と表現することが多いです。
炊き立てのご飯や稲穂の穀物のような香りのほか、栗・落花生などナッツ類のような深みのある香りもふくよかと表します。
・爽やか
ほんのりと漂う酸味により爽快感が得られるときに用います。
酸味と言っても「すっぱい」という感覚ではなく、例えばレモンやライムなどの柑橘類、笹の葉や青竹のような若々しい香り、また三つ葉や桜の葉などハーブ系の香りも「爽やか」と表現されます。
・熟成感
熟成古酒に多く使われる表現です。
熟成古酒は奥深く重厚な香りが特徴となり、カラメルやナッツ、シェリー酒、ドライフルーツなどを思わせます。
また、数年から数十年と長期間寝かせた熟成古酒は薬草のようなスパイシー感、コーヒーのような香ばしさも生まれます。
味の表現方法
日本酒の味わいを表現するときによく用いられる言葉をご紹介します。
・香り高い
香りで言う「フルーティ」や「華やか」に通ずる表現です。
リンゴやメロン、桃などの果実、あるいは花類に例えて表現することが多くあります。
・軽快
淡麗と同じような意味として使われる表現で、絞りたての生酒の味わいを説明するときに多く使われます。
口に含んだときにキリリとし、みずみずしさや新鮮さを感じられるのが特徴です。
・爽やか
香りと共通で、柑橘系の酸味、あるいは青竹、若い葉のようなフレッシュな香りを持つ日本酒を表すときに使います。
・コクのある
複数の味わいのバランスが取れて、日本酒独特の重厚な深みが押し出されているときに使うことが多い言葉です。
・ふくよか
炊き立ての米のような旨みを感じたり、奥行きのある味わいを表したりしたいときに、この言い回しが使われます。
・すっきり
淡麗辛口のドライな日本酒に使われることが多くあります。
飲み口が軽く、すっきり とシャープな味わいを表したいときに使うと良いでしょう。
すっきりとした味わいのお酒はどんな料理にも合わせやすいのが特徴です。
・熟成
熟成された味わい、熟成感がある、というように使われます。
長期間熟成した日本酒からは「熟成香」が漂いますが、味わいとしては酸味と苦みが融合し、キャラメルに似ている要素もあります。
日本酒の香りと味わいのタイプは4種類に分けられる
日本酒に関する有名な資格、「唎酒師(ききさけし)」や「日本酒検定」を管轄する日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)では、日本酒の香りや味を表現する尺度として、「香味特性別4タイプ分類」を提唱しています。
日本酒を人に勧めるとき、よりわかりやすく香りや味を分類するべく、SSIでは2万種類以上の日本酒のテイスティングを実施した結果、「爽酒(そうしゅ)」、「薫酒(くんしゅ)」「醇酒(じゅんしゅ)」「熟酒(じゅくしゅ)」の4タイプにたどり着きました。
引用:日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)ウェブサイト
この4つをもとに縦軸が香りの強弱、横軸が味の濃淡となった味のマトリクス図(上図)も作成され、味わいの好みやタイプを判断しやすくなっています。
これらの4つのタイプの特徴について、具体的にご紹介します。
爽酒(そうしゅ)
清涼感のある爽やかな味わいで、軽快で滑らかなのどごしが楽しめます。
香りは抑えめで、味も淡麗辛口、みずみずしさが特徴のため、よく冷やして飲むのがおすすめです。
ただし、冷やし過ぎるとせっかくの新鮮な香りが消えてしまうので気を付けましょう。
本醸造酒、生酒、普通酒などがこれに当てはまります。
薫酒(くんしゅ)
淡麗さは爽酒と共通していますが、そこに香りの高さが加わったのが薫酒です。
フルーツや花の香りが漂う大吟醸酒・吟醸酒が薫酒の代表格となります。
甘い飲み口が主体かと思いきや、意外にも辛口も存在するなど、その奥行きの広さも特徴です。
醇酒(じゅんしゅ)
米の旨みやコクが広がる豊かな味わいの日本酒を醇酒と呼びます。
味と香りの表現で「ふくよか」とありましたが、まさにその言葉にぴったりなタイプです。
香りは抑え目ながらも濃厚な味わいが特徴で、純米酒や山廃・生酛系などがこれに当てはまります。
日本酒の王道と言うべきタイプであり、常温でも燗にしてもおいしく飲めます。
熟酒(じゅくしゅ)
味と香りの双方が「強い」と位置付けられるのが熟酒です。
いわゆる古酒、長期熟成酒が熟酒に位置付けられます。
ドライフルーツやスパイスなどの香りが複雑に絡み合ったような熟成香が漂い、とろけるような甘い口あたり、喉の奥に広がる深い酸味などが特徴です。
色合いも黄金色に近く、ウイスキーやブランデーなどのイメージに近いかもしれません。
日本酒の味わいの違いを感じ表現してみよう
香りと味を追いかけていくと、日本酒には多くの種類が存在し、それぞれが全く違う個性を放っているのがわかります。
この記事で挙げたような香りや味わいの表現方法を知っていれば、お酒の席でのコミュニケーションの幅も広がりますし、SNSやブログなどで日本酒を紹介するときに伝えやすくなるでしょう。
日本酒の表現方法を知ったうえで、たくさんの日本酒を飲み比べてみると、より違いがわかったり新しいお酒の魅力を感じられるかもしれません。
日本酒を選ぶなら、千葉県の地酒専門サイト「CHIBASAKE」がおすすめです。
味と香りのタイプから日本酒を探せるので、ぜひチェックしてみてくださいね。
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