日本酒の賞味期限は?美味しく飲めるタイミングは?気になる日本酒の保存方法について解説!
「日本酒の賞味期限を調べようとラベルを見たけど、どこにも書いていなかった…。」なんて経験はありませんか?
結論から申しますと、実は、アルコール度数が高い日本酒は腐らないのです。よって賞味期限は決められておりません。賞味期限を記載する法的義務もなく、日本酒には賞味期限はありません。
しかし、だからといって日本酒がいつまでも美味しく飲める訳ではありません。
この記事では、日本酒を美味しく飲める時期や、おすすめの保存方法をご紹介します。
日本酒が腐らないと言われている理由とは
「日本酒は腐らないよ!」という話を聞いたことはありませんか?
これは正確にお伝えすると、「未開封で適切な環境なら品質が劣化することは少ない」ということです。
確かに平均アルコール度数が15度以上の日本酒では、ほとんどの細菌が活動できません。
しかし、火落ち菌と呼ばれる乳酸菌は活動することができるため、日本酒を白濁させたり、風味を劣化させることがあるのです。
日本酒の味わいを酸っぱくさせてしまう火落ち菌ですが、酒蔵ではこの菌が入らないように厳戒体制で臨んでいます。
ただ、例えば自宅で日本酒を一升瓶から小さな瓶に分けた時に、火落ち菌が混入することがあるようです。
また、後ほどお話しますが、温度や空気によっては未開封でも味が落ちてしまうことも珍しくありません。
確かにアルコール度数が高い日本酒は腐りにくいですが、それはあくまで適切な環境下の中での話だということを押さえておきましょう。
日本酒を美味しく飲めるのはいつまで?
平均15度程のアルコール度数がある日本酒は、アルコールによる殺菌効果から、未開封であれば腐ることはないと言われています。
このため、日本酒には賞味期限がないのです。
しかし、何十年経っても美味しく飲める訳ではありません。
日本酒のラベルには、お酒を瓶詰めした日付である「製造年月」が記載されています。
これは、お酒をつくっている方が、今なら美味しく飲んでもらえる!と確信して詰めた時の日付なのです。
このため、購入したらできるだけ早く飲んだ方が、酒蔵が美味しいと感じたお酒の味を楽しむことができます。
未開栓なら、長くても
製造年月+1年以内がおすすめ
加熱処理を2回している通常の日本酒は、製造年月+1年以内、加熱処理がされていない「生酒(なまざけ)」や、1度しか加熱していない「生詰め(なまづめ)」「生貯蔵(なまちょぞう)」と記載された日本酒は、製造年月+6~7ヶ月の間に飲むのがおすすめです。
ただ、酒蔵によっては明確に賞味期限を決めているところもあります。
酒蔵でお酒を買う場合は、いつまでに飲んだらいいのか聞いてみてくださいね!
開封したら2週間以内に飲み切ろう
日本酒を開封すると酸化が始まり、味が変化してしまいます。
開封した時の美味しさを楽しみたいなら、2週間以内に飲みきるのがベストでしょう。
特に加熱処理を一切行なっていない生酒は、酵母が生きており品質が変わりやすいので、3日以内に飲むことがおすすめです。
ただ、通の中にはお酒の味わいを楽しみたいがために、わざとゆっくりと飲む方もいるでしょう。
具体的な期限のお話をしましたが、こちらはあくまで目安です。
時間が経つにつれて味わいが変わるのが日本酒の魅力でもあります。
一般的な美味しく飲める時期はお話した通りですが、期限を過ぎても美味しく感じられるならそれもまたありです。
日本酒の保存に大敵なのは3つ!「紫外線」「温度」「空気」
長く日本酒を楽しみたいなら、対策しなければいけないのが「紫外線」「温度」「空気」の3点です。
上手に対処して、美味しく日本酒を飲みましょう。
紫外線
日本酒は紫外線からの影響を受けやすく、日光に数時間当たるだけで、「日光臭」と呼ばれる独特の匂いを発します。
また、紫外線によってお酒自体が黄色がかってしまうことも。
大抵日本酒の瓶は、グリーンやブラウンなどの色が付いていますが、これは紫外線をカットするためなのです。
紫外線は蛍光灯からも発生しているので、室内に置いているからといって安心はできません。
おすすめは、新聞紙でお酒をぐるりと包むか、UVカットの日本酒専用袋を購入すること!
この一手間で、美味しく日本酒を飲み続けることができますよ◎
温度
日本酒は、一般的に温度が高いと熟成が早まり、「老香(ひねか)」と呼ばれる鼻につく香りが出てきてしまいます。
雑味も多くなってしまうので、日本酒の種類に問わず冷蔵庫での管理がおすすめです。
5~6度、最高でも15度前後の温度でお酒を保管すれば、ゆっくりと変化する味わいを楽しむことができます。
ただ、冷蔵庫にお酒が入りきらない場合は、家の中で最も涼しく、温度変化がないところを選んでの常温保存もOKです。
冷蔵庫で保存するよりも味の変化が早いので、早めに飲むことが大切です。
ちなみに、状態が変わりやすい「生酒」「生詰め」「生貯蔵」や、「吟醸香(ぎんじょうか)」と呼ばれるフルーティーな香りが特徴の日本酒は、要冷蔵な日本酒の種類になります。風味を損なわないためにも必ず冷蔵保存してください。
空気
日本酒は、開栓をしてから空気に触れることで酸化が始まります。
酸化と聞くと悪いもののように聞こえますが、味わいが柔らかくなり変化を楽しめるので、ダメなこととは言い切れません。
ただ、空気に触れれば触れるほど、日本酒の味わいも変わってきてしまいます。
初めは楽しめていた変化も、だんだんと味わいのバランスが崩れてしまうのです。
長く日本酒を楽しみたいなら、酸化対策は必須!
酸化させないためには、日本酒ボトルを立てて保存させることが大切です。
横にして保存してしまうと、ボトル内部でお酒の空気に触れる面積が広くなってしまうので酸化しやすいと言われています。
「日本酒は必ず縦置き保存をする!」と覚えてくださいね◎
一升瓶は小分けにしての保存がおすすめ
せっかく美味しいお酒なのに、横置きにしてしまうと酸化を早めてしまいます。
また、大きな一升瓶は何度開けても飲みきるのに時間がかかるので、その都度空気に触れてしまいますよね。
注ぐ時も細心の注意が必要ですし、冷蔵庫から出して食卓に置く時も一苦労だったり…。
こんな悩みを一挙に解決してくれるのが小分け保存です!
小分けにすれば酸化しづらくなる
せっかく美味しいお酒なのに、横置きにしてしまうと酸化を早めてしまいます。また、大きな一升瓶は何度開けても飲みきるのに時間がかかるので、その都度空気に触れてしまいますよね。
注ぐ時も細心の注意が必要ですし、冷蔵庫から出して食卓に置く時も一苦労だったり…。
こんな悩みを一挙に解決してくれるのが小分け保存です!
四合瓶や300ml、180mlの小瓶など好きなサイズのものを用意して、お酒を移し変えていきましょう。 小さなビンにすれば縦置きも可能ですし、何度も同じボトルを開けて酸化を早めてしまうこともありません。
加えて軽いので、手軽に日本酒を楽しむことができますね◎
小分けにする方法
小分けをする際に気をつけて欲しいのが小瓶をとにかく綺麗にすること!
ちょっとした洗い残しがあれば、急激に菌が繁殖してしまい、せっかくの日本酒が台無しになってしまいます。
ぜひ、こちらの方法を参考に保存してください。
①瓶をよく洗って煮沸する
②水滴がなくなるまでよく乾かす
③空気が入らないように、瓶の中いっぱいにお酒を入れる
小瓶は紫外線を通さないよう、色付きのものがおすすめです。
ペットボトルをおすすめする方もいますが、洗いにくく、また瓶に比べて傷がつきやすいので雑菌が繁殖する可能性が高いことから、小瓶を用意しましょう◎
日本酒が余ってしまったら…?
「日本酒を長く置きすぎて、酸っぱくなった!」なんて時は、ぜひ飲む以外の使い道がおすすめです。
● 料理酒として活用する
● 湯船に入れて美容効果を高める
● 「精製水」「グリセリン」と混ぜて化粧水を作る
お風呂に入れることで発汗作用を高めることができますし、体に付ければアミノ酸のおかげでふっくらツヤツヤのお肌にだってなれちゃうのです。
ただ、開栓後長く置き過ぎてしまった日本酒は、菌が繁殖している可能性があります。 10年以上も前に開栓したものなどは、もったいなくても捨ててくださいね。
「生」と書かれた日本酒は冷蔵保存すべき
先ほど、「生酒」「生詰め」「生貯蔵」と書かれたお酒は、冷蔵保存をおすすめするとお話しました。
これは、「加熱処理」と呼ばれる工程が大きく関係しています。
日本酒をつくる過程で、
● お酒をだめにする火落ち菌を殺菌する
● 酵素などの働きを止める
このような目的のために2度の加熱処理が行われます。
しかし、「生酒」のように加熱処理を全く行っていなかったり、「生詰め酒」や「生貯蔵酒」のような加熱処理を1度しか行っていないお酒は、温度の高い状態で保管すると酵素が活動し、味わいが変化してしまうのです。
ただ、日本酒を冷やすとその活動が鈍くなるので、味わいの変化が極端に変わることを防ぐために冷蔵保存をおすすめしています。
美味しく日本酒を飲むなら冷蔵保存をしよう!
このため、美味しく長く飲みたいなら、日本酒の種類に限らず冷蔵庫での保存がおすすめです。
日本酒に賞味期限はありませんが、1度栓を開けてしまえば品質はどんどん変わっていきます。
開けた後はできるだけ、早く飲むようにしましょう。
もし、長く置きすぎて味わいのバランスが崩れ、飲めなくなってしまった日本酒は、料理酒として活用するのがおすすめです。
また、お風呂に日本酒を入れることで、発汗作用や肌のキメを整えてくれる効果も期待できるので、試してみてくださいね◎
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