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酒は百薬の長の言葉の意味・由来は?お酒にはどんな効果がある?

お酒に関する有名なことわざの一つ「酒は百薬(ひゃくやく)の長(ちょう)」。

飲酒の効用を訴えるだけでなく、断酒をすすめられた際の言い訳としてよく使われる言葉でもあります。

今回は「酒は百薬の長」の言葉の由来や意味、そしてお酒には健康に良い効果が実際にあるのかについて解説します。

 

お酒と健康の関係が気になるという方はぜひ一読してみてください。

「酒は百薬の長」の意味・由来

「酒は百薬の長」というフレーズの初出は、中国の後漢の時代に編さんされた歴史書『漢書』の「食貨志第四下」です。

時は前漢と後漢の間、王莽(おうもう)が帝位を奪い「新」の国を建てると、塩・酒・鉄を国家の専売制にしようとしました。

このときの命令の中に出てくるのが、「塩は食肴の将、酒は百薬の長、嘉会の好、鉄は田農の本」という一節です。

つまり、塩と酒と鉄は生活するうえで重要なものだから国営で販売する、という専売の理由づけとして挙げられた文言で、医学的な知見に基づいた言葉ではありませんでした。

しかし、酒の専売をはじめ王莽の政策はことごとく失敗したとされ、新はわずか15年で滅んでしまいます。

また、「酒は百薬の長」と言ったら「されど万病の元」と返されたという方もいるかもしれません。

この付言の原典とされているのは、兼好法師が著したとされる『徒然草』です。

その第175段には「百薬の長とはいへど、万の病は酒よりこそ起れ」とあります。

これ以降、日本では「適量ならば、飲酒は健康に良い」という意味で「酒は百薬の長、されど万病の元」というフレーズが定着しました。

古代中国の政令の一節が、およそ1300年もの時を経てアレンジされ、おなじみのフレーズとなっているというのは興味深いですね。

 

酒は本当に百薬の長なのか?

実際に、お酒には薬と呼べるような効用があるのでしょうか。

飲酒と健康の関係についての有名な疫学調査として、1981年にイギリスのマーモット博士が発表した「飲酒と死亡率のJカーブ効果」があります。

それによれば、お酒をまったく飲まない人よりも適量を飲む人の方が、全体の死亡率は低いという結果が出ています。

ただし適量を過ぎると、飲酒量が増えるにつれて死亡率も上昇。

まったく飲まない人よりも格段に高くなっていくというものです。グラフにすると「J」字状の曲線を描くことから、一般に「Jカーブ効果」と呼ばれています。

とはいえ、この調査は飲酒を奨励しているわけではありません。

特に日本人はアルコール耐性が弱い人が多いため、注意が必要です。

また、適度な飲酒がなぜ死亡率を下げるのかという因果関係についても、諸説あります。

お酒を飲めば必ず死亡率に影響するというわけでもないので、あくまで適量の飲酒は 健康に良い効果をもたらす可能性がある、という程度の認識にとどめておきましょう。

 

お酒の適量はどれくらい?

ひとくちにお酒の適量と言っても、年齢や体格、アルコールに対する耐性など人によって「適量」は異なります。

このくらいの量までなら大丈夫というような、明確な基準はありません。

ただし、厚生労働省が推進する国民健康づくり運動「健康日本21」では、「節度ある適度な飲酒量」の目安が設定されています。

これによると、飲酒の適量は1日平均純アルコールで20g程度。

この数字は、ビールに換算すればだいたい中瓶1本、日本酒なら約1合となります。

しかし、女性は一般的に男性よりアルコールの分解速度が遅いとされ、適量は男性の半分程度とされています。

もちろん、お酒に弱い人や高齢者の場合は、これらの目安よりさらに少ない量が適当です。

お酒が好きな方にはなかなか厳しい指標かもしれませんが、例えば一人で晩酌するときなどは、少し量を控えめにするなどの意識をすると良いでしょう。

 

お酒から得られる効果とは?

お酒の種類は原料や製造法などによってさまざまです。同じ適量を口にしたとしても、そのお酒によって特有の効果が見込める場合もあります。

ここからは、それぞれのお酒ごとにどのような効果があるかを説明します。

ただし、健康上の効用が報告されているとはいえ、飲みすぎは厳禁です。

過剰にアルコールを摂取することが病気や体調を崩すリスクになるため、飲酒量には十分注意してください。

 日本酒

米と水を原料に、麹を醸して作られる日本酒。発酵の過程で生み出される栄養素は700種類を超えると言われています。

日本酒は、特にタンパク質の構成に欠かせないアミノ酸が豊富です。

なかでも人の体内では合成できない必須アミノ酸9種のすべてを含んでいることは、特筆に値するでしょう。

アミノ酸が不足すると、筋肉量の減少や気力の低下といった健康上の不調につながります。

また「アデノシン」も、日本酒がほかのお酒よりも多く含有している成分の一つであり、血管を拡張し血行を促進する効果が認められています。

血流が増加すれば体温も上昇することから、寒いときに日本酒を飲むのは昔からの理に適った慣習だと言えるでしょう。

さらには、日本酒に含まれるポリフェノールの一種「フェルラ酸」には、紫外線の吸収を抑える効果があると言われています。

近年では日本酒や酒粕を原料として、美肌効果を謳うコスメ商品も人気を呼んでいます。

 焼酎

焼酎の効用の一つに挙げられるのが、血栓予防です。焼酎には、血液中の「ウロキナーゼ」という酵素の分泌を促す効果が確認されています。

ウロキナーゼはさらに「プラスミン」という、血栓を溶解させる酵素を生成します。

この効果は焼酎のにおいを嗅ぐだけでも得られるとされているため、焼酎を飲むときはまず香りをじっくり楽しむと良いでしょう。

また、芋焼酎にはポリフェノールの一種「アントシアニン」も含まれています。

アントシアニンは強い抗酸化作用をもつことで知られ、アンチエイジングや血液をサラサラにする効果が期待できます。

さらに痛風持ちの方には、低カロリーで低糖質、プリン体ゼロの本格焼酎は心強い存在でしょう。

 ウイスキー

ウイスキーの香りにはリラックス効果があることがわかっています。化学的に多種多 様な香気成分の混合物であるウイスキーのアロマは、脳の前頭葉から発出される脳波を抑え、副交感神経優位な鎮静状態にすると言われています。仕事などでストレスを抱えた夜は、ウイスキーの香りに癒されると良いでしょう。 また、ウイスキーに含まれる「エラグ酸」というポリフェノールにも、高い抗酸化作用が認められています。お酒でありながら、動脈硬化や脳梗塞、糖尿病といった生活習慣病を予防する効用も期待できます。

 ワイン

ワインは以前からブドウ由来の豊富なポリフェノールによる健康効果が研究されてきました。

抗酸化作用の強いポリフェノールには、動脈硬化予防やアンチエイジングなど、さまざまなはたらきが確認されています。

一般に、ブドウの皮ごと発酵させる赤ワインの方が、白ワインより多くのポリフェノールを含んでいます。

また、カリウムが豊富なのも赤ワインの特徴です。カリウムには利尿作用があり、余分な塩分を排出して血圧を下げてくれると言われています。

健康面だけを考えるなら、白ワインより赤ワインを選ぶのが良いと言えるでしょう。

 

お酒の適量を意識し、楽しいお酒ライフを!

「酒は百薬の長」ということわざは、中国の古典に由来するものの、元々の使われ方には医学的な根拠はありませんでした。

嘘というわけではありませんが、その後の『徒然草』にあるように「百薬の長とはいへど、万の病は酒よりこそ起れ」ひいては「適量ならば、飲酒は健康に良い」という意味に捉えるべきでしょう。

この点については、科学的にも裏付けられつつあります。

長く健康的にお酒を楽しむためにも、酒量が過ぎないように気をつけ、食生活などにも配慮するようにしましょう。