16,500円(税込)以上のご注文で、送料無料

「幻の酒米」とも呼ばれた雄町のルーツや味わいに迫ります!雄町を使ったおすすめの日本酒も紹介

日本酒好きの間で高い人気を誇る酒造好適米の「雄町(おまち)」。

豊潤でしっかりとした味わいの日本酒を造ることができる酒米ですが、一方で生産が難しいことから「幻の酒米」とも呼ばれていました。

今回はそんな雄町(おまち)の特徴や歴史をたっぷり解説していきます!

「オマチスト」と称されるファンも多数存在する雄町にはどんな魅力があるのか、ぜひチェックしてみましょう。

酒米

雄町の特徴

では、お酒をつくるためのお米である酒米の中でも酒造好適米と言われる「雄町とは何か」について詳しくお話していきます。

 酒米のルーツとされる岡山発祥の品種

雄町とは、岡山県で発見された代表的な酒造好適米の一種です。

酒造好適米とは日本酒造りに適したお米のこと。

大粒な上、心白(しんぱく)と呼ばれる粒の中心にある不透明な部分が大きいので、普段食べるお米よりも浸水性に優れています。

味わい深い日本酒を造ることができる米の雄町ですが、「病気に弱い」「背丈が高いために倒れやすい」「収穫量が低い」といった特徴があり、栽培が非常に難しい品種です。

しかし、日照時間が長く豊かな水量や穏やかな風に恵まれた中国地方・岡山県にて、雄町は長きにわたって栽培されています。

今では、なんと岡山県が雄町の生産量を全国の95%も占めているんです。特に岡山県の中でも岡山市、岡山市瀬戸(旧 瀬戸町)、赤磐市赤坂町地区産が特に有名です。

 芳醇で旨味のある日本酒に仕上がる

生産するのに手間がかかり難易度の高い雄町ですが、それでも栽培されているのは雄町から造られる日本酒がピカイチだからです。

雄町を使った日本酒は、ふくよかでお米の旨味をしっかりと感じられる味わいに仕上がります。

細くきれいな口当たりというよりは、厚みがあり飲みごたえのある風味を楽しむことができますよ。

このようにしっかりとした味わいが出るのは、雄町にアミノ酸が多く含まれているからです。

お米の甘みと酸がバランス良く調和された味わいで、のどを通った後も深い余韻に浸ることができます。

実は、雄町は栽培だけではなくお酒造りにおいても難しいとされている酒造好適米です。

「下手をすると重くなりがちな味わいを、バランスよく酸と組み合わせられるか...」と酒蔵のみなさんが試行錯誤しながら一生懸命造られたお酒だからこそ、「オマチニスト」と呼ばれる熱狂的なファンが多く存在します。

雄町のふくよかな味わいを楽しむなら、常温や燗酒で旨味を感じたいところ。

コクのあるおつまみにも負けない濃醇かつ複雑な口当たりは、ぜひ日本酒好きのみなさんにおすすめの一本です。

 

雄町の歴史

どっしりと味わい深い旨味を楽しめる雄町は、今でこそ代表的な酒造適合米として知られていますが、元々はある農家の方が偶然見つけた品種だったとか。

では、雄町はどのようにして全国的に人気の品種になったのでしょうか?

その歴史をお話していきましょう。

 雄町はかつて「幻の酒米」と呼ばれていた。雄町伝説

雄町は1859年に岡山県で誕生しました。

きっかけは地元の農家が珍しい2本の稲穂を見つけ、自宅で栽培を始めたこと。

2本の穂ということから「二本草」と呼ばれていましたが、雄町周辺で栽培が広がったため「雄町」と名づけられたそうです。

お米本来の旨味が感じられる雄町の日本酒ですが、その栽培は病気に弱いなどの弱点から非常に困難でした。

このため、「お酒よりも普段食べられるお米を作らなければ...」と食料の確保に迫られた戦時中には、生産量がガクッと落ちてしまうことに。

雄町がかつて「幻の酒米」と呼ばれていたのは、このような所以があったからなんです。

しかし、その味わい深さで全国から人気を集めていた雄町は、復活を願う酒蔵の強い想いから生産量が徐々に増えていきました。

2008年からは全国から雄町で造られた日本酒が勢ぞろいする「雄町サミット」が開催され、雄町の素晴らしさは今もなお広がり続けています。

今では雄町が品種改良された酒米も 酒造適合米は雄町のほかにも、「山田錦(やまだにしき)」「五百万石(ごひゃくまんごく)」「美山錦(みやまにしき)」などが挙げられますが、これらの中にも雄町にルーツがあるものが存在します。

実際「酒米の王様」と呼ばれる山田錦や新潟が誇る五百万石も、もともとは雄町がルーツであるとされています。

さらに「広島雄町」「こいおまち」「改良雄町」など雄町を品種改良した酒造適合米も数多くあります。現存する酒造好適米の約2/3の品種は雄町の系統を引き継いでいると言われています。

また、雄町といえば押さえておきたい酒米が「赤磐雄町(あかいわおまち)」でしょう。

この酒米は、1973年には作付面積が3ヘクタールほどまで減少した雄町を、利守酒造の4代目・利守忠義氏が「もう一度立て直そう!」と農家を説得し生み出した、雄町のブランドです。

今でこそ代表的な酒造適合米とされる雄町ですが、様々な苦労があったことを覚えておきたいですね。

 

CHIBASAKE編集部おすすめ!

雄町を使用した千葉の銘酒 「雄町で醸された日本酒を飲みたい!」

という方のために、厳選に厳選を重ねた日本酒を紹介します。

今夜はぜひ雄町のルーツに想いを馳せながら、しっかりとした味わいを堪能してみましょう。

 備前雄町 純米大吟醸 竹岡

こちらの日本酒は、雄町発祥の地・岡山県で栽培された「備前雄町」を100%使用した日本酒です。

上品な香りと雄町特有のふくよかな味わいは、普段の晩酌にはもちろんお客様のおもてなしにも喜ばれる1本。

心地よい酸味と後に残る優しい風味で、一度飲んだら虜になってしまうこと間違いなしです。

 

 長命泉 純米大吟醸 一度火入 720ml

長命泉 純米大吟醸

 こちらの日本酒は、成田山表参道にある唯一の酒造・滝沢本店の「長命泉 純米大吟醸 一度火入」。

無病息災・健康長寿を祈願して作られている代表銘柄の「長命泉」。原料米には「岡山県産・雄町」と「兵庫県産・山田錦」の2大酒米が贅沢に精米された大吟醸酒。

高い吟醸香を出すことでも有名な「協会14号酵母」で醸造し、さらに火入れも1度のみに抑え、こだわりを追求した日本酒が完成いたしました。

 

歴史を感じる雄町の味わいを楽しんでみよう!

弱点が多いことから栽培が難しく「幻の酒米」と言われた雄町。

しかし、その味わい深さに惚れた酒蔵や「オマチスト」の強い希望で、今なお多くの人から親しまれています。

雄町の誕生ストーリーを聞けばさらに雄町のお酒はおいしく感じるはずでしょう。

たくさんの人に親しまれている雄町で醸した日本酒を、ぜひこの機会に味わってみてはいかがでしょうか。

 

★チバサケアプリでは最新の記事情報をお届けしています。

チバサケメルマガお酒の楽しみ方やイベント情報を配信中!